特集〈福岡市雇用特区〉危惧される不安定雇用者層の増大や不公平な税負担

 高島市長が力を入れる福岡市雇用特区。市民生活に重大な影響を及ぼす可能性についてはあまり知られていません。わたしは、かねてより、この雇用特区の目的と手段に大きな疑問を抱いていました。
 そこで、「市民生活に重大な結果をもたらす福岡市雇用特区」の一本に絞り質問。①根拠の希薄な開業率と雇用創出の目標設定、②社会格差をひろげる解雇規制の緩和と不公平な法人税の減税、③「雇用の流動化」をめざす自治体の長としての適格性について、9月9日の福岡市議会本会議で市長の政治姿勢を質しました。
 高島市長は、特区の利点ばかりを強調。危惧される不安定雇用者層の増大など、特区の「影」を正面から語らない、語れない市長は、本物のリーダーではないということを確信した質疑応答になりました。
 
新規雇用者20万人の看板に偽り有り!?
 
【栃木】平成30年で20万人とされる新規雇用者数は人口の増加に結び付かない見かけの数字で、実態は雇用が流動化し、何度も転職を繰り返す不安定な雇用者群を創り出そうとしているのではないか。看板に偽り有りだ。
 
【経済観光文化局長】特区における新規雇用者数については、創業や第二創業を促進することで新しい雇用を生み出すことに着目した目標である。雇用労働相談センターにおいて安心して正社員を雇用でき、雇われる側も安心して働くことができる環境を整えるなど、不安定な雇用を創り出そうとするものではない。
 
乱暴で無責任、不公平な法人税の減税
 
【栃木】納税状況も分からず試算もできていないのに、開業5年以内の企業を対象にした根拠のない法人実効税率17%以下への減税を打ち上げること自体が乱暴で無責任だ。
歯を食いしばって市内で頑張っている減税対象外の企業の皆さんとの不公平は甚だしい。
 
【経済観光文化局長】国の調査によると、創業初期における課題の上位に資金調達が挙げられており、法人実効税率の引下げは、起業後の成長促進に寄与するものと考えられ、また、こうした税制による支援をアピールすることで創業マインドの好転が期待され、開業率向上に一定の効果が見込めるものと考えている。
整えるなど、不安定な雇用を創り出そうとするものではない。
 
セーフティネットに関心薄い市長
 

【栃木】特区をめぐり市長の前のめりの姿勢ばかりが目立つのは、市民が安定して家族を支えることのできる働き方、暮らし方を追求すべき市長の政治姿勢の欠如に原因があるのではないか。市民の豊かさにとって、特区の実現がなぜ不可欠なのか説明願いたい。
 
【経済観光文化局長】創業が盛んになることによって、多くの雇用が生まれ、地元での就職の機会が増えるとともに、新しい商品やサービスによって生活が豊かになることが期待できる。地元経済が活性化することによって、市民一人ひとりが暮らしの豊かさを実感できるようになる。特区の指定で市の政策を加速させる。
 
【栃木】開業率、新規雇用者数など特区の効果を示す目標数の根拠が曖昧かつ不明確であり、そもそも市長はセーフティネットの構築に関心が薄いうえ、市民である雇用労働者の働かせ方が過酷になる可能性を排除しない市政運営や経済効果の曖昧なままに特定の企業のみに減税する不公平を押して、特区を無理やり進めるならば、高島市長は自治体の長としての適格性に欠け、市民の信頼を失うであろうと断じて質問を終わります。