「行き詰る安倍政治と安倍外交」
森友・加計学園に見られる政治の私物化、安倍総理や麻生大臣の不誠実な態度には目に余るものがありますが、もりかけ問題以外にも安倍政治の行きづまりが目立ちます。その最たるものは外交です。安倍総理ご自身は「外交が得意」だと思い込んでいるようですが、実際のところ「外遊が得意」なだけで「外交は得意」とはとても言えません。
米朝首脳会談を受け、政治学者のイアン・ブレマー氏は「勝者は中国、最悪の立場の日本」と表現しました。北朝鮮の非核化や暴走に歯止めがかかり、在韓米軍のプレゼンスが低下し、北朝鮮の体制保証がなされ、中国にとって良いことづくめです。南北融和は韓国にとって大きなメリットです。トランプ大統領も、朝鮮戦争を終わらせ、北朝鮮の非核化が実現すれば、ノーベル平和賞も夢ではありません。
他方、日本は北朝鮮外交で蚊帳の外に置かれ、トランプ氏から北朝鮮経済支援の請求書だけ回されそうな気配です。昨年9月の国連総会で安倍総理は「必要なのは対話ではない。圧力だ」と世界に呼びかけ、対話を全否定しました。しかし、米国が北朝鮮と首脳会談を開き、安倍外交の圧力一辺倒路線は破綻しました。日本側から頭を下げる形で、日朝首脳会談が行われる可能性まで出てきました。もっと早い段階から日本独自に北朝鮮との交渉を始めていれば、日本が主導権を握ることができたかもしれません。北朝鮮外交は、安倍外交の完敗です。
<文責 山内康一>
衆議院議員
山内 康一さん
(立憲民主党 福岡県連合 代表)